漢方治療について

脳卒中(脳血管障害)の発作が起こると、たとえ死亡こそは免れても、程度の差はあれなんらかの後遺症が残ることが多いのが現状です。片麻痺(へんまひ)や失語症、意識障害などです。多くは、急性期をすぎると消滅するのですが、慢性期になっても残ってしまったものを「脳卒中後遺症」といいます。

ある程度病状が落ち着き、回復期になってからの脳卒中の治療、あるいは後遺症の治療に対しては、漢方治療が用いられることがあります。

脳卒中というのは、脳血管障害です。血管そのものが脆弱になっている、血液の成分に何らかの異常があり、血流が流れにくくなっている、固まりやすくなっている、血圧が高い、といったことが原因で、症状が生じたものを考えられます。漢方治療においては、これらの症状を脳の領域だけの問題と考えず、全身の血管や血液の状態と考えます。したがって、血管を強化し、血液の粘りを低下させる、降圧作用がある、漢方薬が用いられます。

漢方治療では、同じ症状でも、患者さんご本人の体力が充実しているかどうか、によっても、薬が変わります。たとえば、同じ片麻痺の場合でも、体力が充実していて口の渇きがある人(実証(じつしょう))は、「続命湯(ぞくめいとう)」という漢方薬をもちいるのに対し、体力が中以下の間証(かんしょう)、虚証(きょしょう)の人で手足が冷える人に対しては、「小続命湯(しょうぞくめいとう)」という漢方薬がもちいられます。